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2020年 第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門18作品紹介(3/3)

第70回ベルリン国際映画祭

『デイズ(英題) / Days』

デイズ
(C) Homegreen Films

製作国:台湾
監督:ツァイ・ミンリャン
キャスト:リー・カンションアノ・ホンギェアングシー

【ストーリー】
長年ツァイ・ミンリャン監督とタッグを組み、ミンリャン監督作品には欠かせない存在として知られる俳優のリー・カンションが病に倒れ、生死の境をさまようことになる。監督は病床にあるリーにカメラを向けることを決意。ラオスの友人の何気ない日常も交えながら、リーの切実な“今”を描く。

【ここに注目】
マレーシア出身で、台湾を拠点に活動するツァイ・ミンリャン監督が手掛けた長編ドラマ。監督の分身とも言える台湾人俳優リー・カンションの病床での暮らしを切り取っている本作は、脚本もなく、着地点も見えない状況でスタートし、4年にわたり断続的に撮影された。監督は本映画祭で第47回に『河』(1997)で審査員賞を、第55回には『西瓜』(2005)で芸術貢献賞を受賞。ベルリン国際映画祭とは縁の深いベテラン監督の躍進に熱い視線が注がれる。

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『ザ・ロード・ノット・テイクン(原題) / The Roads Not Taken』

ザ・ロード・ノット・テイクン
(C) Adventure Pictures

製作国:イギリス
監督:サリー・ポッター
キャスト:ハビエル・バルデムエル・ファニング

【ストーリー】
今とは違う別の人生を歩む自分を思い浮かべる父親のレオ。一方、娘のモリーは父の心の葛藤と向き合いながら、将来の自分の進むべき道を模索する。

【ここに注目】
オスカー俳優のハビエル・バルデム、エル・ファニング、サルマ・ハエックローラ・リニーら豪華キャストが共演。『耳に残るは君の歌声』(2000)、『愛をつづる詩』(2004)のサリー・ポッターが監督・脚本を務め、ニューヨークを舞台にバルデムとファニング演じる父娘の姿を描く。ポッター監督作品は、2009年の『レイジ(原題) / Rage』、2017年の『ザ・パーティー(原題) / The Party』がベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されている。

『マイ・リトル・シスター(英題) / My Little Sister』

マイ・リトル・シスター
(C) Vega Filmo

製作国:スイス
監督:ステファニー・シュアヴェロニク・レモン
キャスト:ニーナ・ホスラース・アイディンガー

【ストーリー】
リサは才能ある脚本家だったが、その夢を諦めて夫と子供と共にベルリンからスイスへ移り住んでいた。しかし、ベルリンで俳優として活躍していた双子の兄のスヴェンが進行の速い白血病になってしまう。舞台に戻ることが生きる希望になると考えたリサは、家族やほかの全てのことを投げ打って彼を支えようとする。

【ここに注目】
ドキュメンタリーや映画を共に手掛け、舞台女優としても活動しているステファニー・シュアとヴェロニク・レモンが、三大映画祭のコンペティション部門に初のノミネート。双子の兄と強い絆で結ばれているリサを、『イェラ(原題) / Yella』(2007)で第57回ベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞して以来、ヨーロッパのみならずアメリカのドラマシリーズ「HOMELAND」などにも出演するニーナ・ホスが演じる。

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『シベリア(原題) / Siberia』

シベリア
(C) Vivo film / maze pictures / Piano, 2020

製作国:イタリア、ドイツ、メキシコ
監督:アベル・フェラーラ
キャスト:ウィレム・デフォードウニャ・ジショフ

【ストーリー】
心に傷を抱えるクリントは人里離れた山小屋に籠もり、旅行者や地元住人が訪れるささやかなカフェを経営していた。しかし、比較的孤立した生活でも安らぎを見いだせず、自分自身に向き合うために犬ぞりでの旅を始める。

【ここに注目】
永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018)などの怪優、ウィレム・デフォーを主演に迎えた壮大な自分探しの旅。死んだように凍て付いた大地で暮らす男が、自身の心の奥底を省みる姿を描写する。監督は、カンヌ国際映画祭3度ノミネート、第62回ベネチア国際映画祭では『マリー ~もうひとりのマリア~』(2005)で審査員特別賞を獲得したアベル・フェラーラ。『アディクション』(1994)が本映画祭コンペ部門にノミネートされた第45回以来25年ぶりに、最優秀作品賞の金熊賞を狙う。

『オール・ザ・デッド・ワンズ(英題) / All the Dead Ones』

オール・ザ・デッド・ワンズ
(C)Helene Louvart / Dezenove Som e Imagens

製作国:ブラジル、フランス
監督:カエターノ・ゴタルドマルコ・ドゥトラ
キャスト:マウシ・トゥラニクラリッサ・キステ

【ストーリー】
20世紀初頭のブラジル・サンパウロ。かつてはコーヒー農園のオーナーとして裕福に暮らしていたソアリス家の3人の女性だが、奴隷制度の廃止と家政婦の死によって中流階級の生活に順応しようと努力する。一方、奴隷として働いていたナシメント家の人々は、解放された奴隷たちを受け入れない社会の現実に直面していた。

【ここに注目】
監督のカエターノ・ゴタルドとマルコ・ドゥトラは、本作が2人での初の共同監督作品。共に短編映画が世界各地の映画祭で評価された気鋭の監督で、ドゥトラは長編作『狼チャイルド』(2017)で第70回ロカルノ国際映画祭審査員特別賞を受賞した。19世紀末から20世紀初頭の奴隷制度が廃止されたばかりのブラジルで、社会を生き抜くために戦う人たちについての物語となっている。

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