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精神科医の引退、妻との人生…想田和弘監督の新作『精神0』5月2日公開

『精神0』ポスタービジュアル
『精神0』ポスタービジュアル - (C)2020 Laboratory X, Inc

 映画『選挙』『牡蠣工場』『ザ・ビッグハウス』などのドキュメンタリーで知られる、想田和弘監督の最新作『精神0』の公開日が5月2日に決定し、予告編が公開された。

【動画】『精神0』予告編

 本作は、被写体への予断や先入観、台本、ナレーション、BGMを排した、想田監督が「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの第9弾。2018年、観察映画の第2弾『精神』(2008)でカメラを入れた、外来の精神科診療所「こらーる岡山」の医師・山本昌知氏が82歳で引退すると聞いた想田監督がカメラを回し、人生そのものであった仕事を離れた、一人の医師の生き方を観察した。

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 戸惑いを隠せない、彼を慕ってきた患者たち。そして、引退した山本氏を待っていたのは妻・芳子さんとの新しい生活。共に生き、共に老いた夫婦の姿を、想田監督が深い慈しみと尊敬の念をもって描き出す。

 想田監督自身が「期せずして“純愛映画”になったのではなかと思っている」と語る本作は、第70回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式招待され、エキュメニカル審査員賞を受賞。また、ニューヨーク近代美術館(MoMA) Doc Fortnight 2020 のセンターピースとしての上映も早々に決定するなど、国際的な評価を獲得。本作を鑑賞した俳優の仲代達矢は「素晴らしいドキュメンタリーでした。愛おしく、やさしい気持ちになり、最後は泣きました。『精神』からだいぶ時が流れたことも思い知らされ、人間は年をとるもんだし、人間はやっぱり穏やかでいることが何よりだ、と。資本主義に埋もれた感性に、少しでもこの慈しみが沁みれば良いなあ」とコメントを寄せている。(編集部・入倉功一)

映画『精神0』は5月2日より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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