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窪塚洋介、スコセッシが命をかけた『沈黙』初日に思いのたけを語る!

政府に向けて痛烈なメッセージを放った窪塚洋介
政府に向けて痛烈なメッセージを放った窪塚洋介

 俳優の窪塚洋介が21日、TOHOシネマズスカラ座で行われた映画『沈黙-サイレンス-』初日舞台あいさつに出席、公開の喜びと共に、本作が持つ弱者へのまなざしが政府にはないと痛烈なメッセージを送った。この日は浅野忠信イッセー尾形塚本晋也小松菜奈らも来場した。

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 キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代を舞台とした遠藤周作の小説「沈黙」にほれ込んだ巨匠マーティン・スコセッシ監督が、28年間、映画化を熱望してきた本作。日本を代表する実力派俳優たちがオーディションで役柄を獲得した。満席の会場を見渡した窪塚は「(本作に出演する)リーアム・ニーソンです。なんちゃって」とジョークで沸かせると、「映画をご覧になっていただいた後にお話をするのは初めて。一言で言えるような作品ではありません。舞台あいさつを楽しんでもらう中で、映画を思い出してもらえたら」とあいさつした。

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 一方、アカデミー賞前哨戦となる第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞で、助演男優賞次点に選出された井上筑後守役のイッセーは「映画を見終わった後も言葉にならなかったが、3日くらいたってポツポツと言葉になった。そういう感動ってあるんだなと、生まれて初めて感じました」としみじみ。塚本も「長かったですね。(参加が決まってから)8年くらいかかって。ついこの間もアフレコをやっていてそわそわしていましたけど、その心配がなくなるんですね。ホッとしたような、もっとそわそわしていたいような」と晴れやかな顔をみせた。

 また、社会的弱者をテーマとした本作にちなみ、「本作が社会に問いかけるメッセージをどう考えるか」という質問を投げられた登壇者たち。小松が「いろんな人に観てもらいたいですが、特に自分と同世代の若い人に観てもらいたい。自分もそうなんですが、普段は明るくてハッピーな映画を観に行きがち。でも、こういう考えさせるような、映画も体感していただけたらうれしいなと思います」と呼びかけた。

 そして窪塚は「今から話すことはきっと新聞に載らないと思いますが聞いてください」と切り出すと、「2011年3月11日に震災が起こって、そこでたくさんの弱者が生まれました。それなのにこの国の政府は、海外にお金はばらまくのに、この国の弱者には目も向けない」とキッパリ。「俺も菜奈ちゃんが言った通り、ハッピーな映画が大好きです。でもこの映画は今の時代に必要な映画だと思うし、スコセッシ監督は命をかけてこの映画を(特別上映された)バチカンに届けて戦った。その気持ちをくんでくれたら俺はうれしいし、より良い明日が届くことを信じてやみません」と会場に呼び掛け、会場からの拍手を浴びた。(取材・文:壬生智裕)

映画『沈黙-サイレンス-』は全国公開中

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