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『ドーン・オブ・ザ・デッド』サラ・ポーリー独占インタビュー

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ホラー映画の巨匠と呼ばれるジョージ・A・ロメロ監督の『ドーン・オブ・ザ・デッド』。日本でも根強い人気を誇るこの作品が、CMディレクターとして活躍するザック・スナイダー監督によって斬新な映像でリメイクされた。主演は『死ぬまでにしたい10のこと』のサラ・ポーリー。オリジナル版は超低予算で作成されたインデペンデント映画。一方のリメイク版の本作では、メジャー・スタジオが参入。豊富な資金が約束された。そして主人公のアナを、これまで数々のインデペンデント映画に出演してきたサラ・ポーリーが演じることに。オリジナルのインデペンデント・スピリットを受け継ぎつつ、最新のテクノロジーや特殊メイクを駆使して誕生した『ドーン・オブ・ザ・デッド』。作品PRのために来日したサラ・ポーリーに話を聞いてみた。

ゾンビに囲まれながら結婚式の打ち合わせ

Q:思わずスクリーンから目をそらしたくなるシーンも満載の本作ですが、サラさんご自身はホラー映画好きだったりするのでしょうか? ゾンビに興味があるとお聞きしましたが。
サラ(以下S):映画は大好きでさまざまなジャンルの作品を観ているけど、ホラー映画が特に好きというわけではないの。でもゾンビという発想にはとても興味を持っているわ。"もし、死が永久のものではなかったら・・・・・・。もし、半死状態で体はまだ生きていたら・・・・・・。"とても気になるテーマだと思わない? 私がこの映画への出演を決めたのは、このゾンビを題材にした映画であり、監督とプロデューサーの熱意が素晴らしいものだったからよ。

Q:アナという女性を演じるにあたり、彼女をどんな人物だと解釈して演じましたか? 自分と共感できる部分はありましたか?
S:アナは日常に埋没してしまうような、あまりおもしろくない毎日を送っていたの。でも、とんでもない危機に見舞われて、彼女は自分の中に隠されていた様々なことに気がつくのね。勇気、戦う強さ、リーダーシップ。そういった潜在能力を人間は誰でも持っていると思うの。日常とは違う状況に陥った時、人はその能力を発揮するのではないかしら。ということは私にもアナみたいに行動できる力があるのか?  その答えは、"わからない"。実際に自分がそんな状況におかれてみないと、一体どんな風になるのか、自分でもわからないのよ(笑)。

Q:撮影中、なにか印象的な出来事はありましたか?大変だったこと、楽しかったこと、撮影の舞台裏のエピソードがありましたらお聞かせ下さい。
S:共演者全員と仲良くなったわ。みんな個性的でとてもおもしろい人ばかり。いつも私のことを笑わせるの!だから撮影期間中の3か月間は笑いっぱなしだったわ。あとね、私はこの映画を撮っている時に結婚式の準備を進めていたのよ。想像してみて。血だらけのパジャマ姿の時に、式についての電話がかかってくるの。周りにはゾンビがうようよいるのよ。そんな状況の中、ブーケのことやらドレスのことを受け答えしているの、私は。笑っちゃうでしょう!(一同しばしば爆笑) 結婚式はね、撮影を3日間残したところであったの。でもね、血糊ってなかなか落ちないのよ。おかげで赤い染料がうっすら残った、まだら模様の手で結婚式を迎えちゃった!!(再び爆笑)

■公開直前に追加撮影!!

Q:結婚式があったとなると、この作品は忘れられない出演作になりましたね。そんな現場で監督はどんな感じでしたか?
S:監督は若くて元気で溌溂(はつらつ)とした人よ。演技についても、とても自由にやらせてくれたの。細かい指示を出すわけではないのに、気がつくと彼の望むような演技をしているの。素晴らしい才能を持った監督よ!

Q:エンドロールの作りも凝っていますよね。
S:実はね、1か月前は、あのエンドロールじゃなかったのよ!  公開直前になって、『エンドロールを作りかえるぞ!』   ということになったの。追加撮影をして、今のエンドロールになったのよ。

Q:このエンドロールは見逃せないですよね!! ところで今回は念願叶っての来日なんですよね?
S:『死ぬまでにしたい10のこと』が日本で大ヒットしていると聞いて、本当に、来たかったわ。その時、私はどこにいたと思う?  アーカンソン州でポスターを抱えて映画のPR活動をしていたの。そして『日本に行きたい!』って叫んでいたの(笑)。でもね、友達と日本には滞在していたことがあるのよ。3日間だけど。今回は夫も一緒に来ているの。

■実は、私・・・・・・

Q:では、時間があればハネムーンにしたいですよね。夏には監督としてのお仕事もあるそうですね?
S:いい考えね! これから夏に向けて劇場公開向けの映画を監督するから、ぜひ、そうしたいわ(笑)。

Q:『死ぬまでにしたい10のこと』といえば、素敵な歌声を披露されていましたよね。歌の方でなにか活動のご予定は?
S:実は人前に立つのがあまり得意じゃないの。あがり症なのよ。舞台に出ていって歌うとなると、まずこれを克服しなきゃならないわ! 私の歌声は映画の中で楽しんでね(笑)。

Q:それでは最後に『ドーン・オブ・ザ・デッド』を楽しみにしている皆様へのメッセージをお願いします。
S:70年代のホラーをティーン向けにリメイクされることがよくあると思うけど、『ドーン・オブ・ザ・デッド』は、そういった作品とはひと味違っているの。いろいろな驚きもあって、最後まで飽きさせない作りになっているわ。私がこれまで見たどのホラー映画とも違っているの。自信をもっておススメできる作品よ!!

劇中では、絶望的な状況下で笑うゆとりもないアナ役を演じていたサラ・ポーリーだったが、インタビューは笑顔がたえないにぎやかなものとなった。記者と顔をあわせた瞬間に「素敵な髪ね!」と気さくに話しかけるところなど、彼女の人柄の良さが感じられた。4歳の時から女優としてのキャリアを積み始めたサラ・ポーリー。その彼女が出演を決めた『ドーン・オブ・ザ・デッド』。彼女自身が確かな手応えを感じているこの作品、要チェックな一本である。


(取材・文 斎賀 美香)
『ドーン・オブ・ザ・デッド』は5月15日より日比谷映画ほかロードショー


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