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「どうする家康」最終回で“本当の家康”が明らかに 演出・村橋直樹「難しかった」

最終回「神の君へ」より
最終回「神の君へ」より - (C)NHK

 松本潤が徳川家康役で主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)が17日に最終回を迎える。本エピソードの演出を務めた村橋直樹が、放送を前に「1年間の総決算」となる最終回に臨んだ心境を語った。

【画像】最終回タイトルは「神の君へ」 場面写真<7枚>

 『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの古沢良太が、三河の田舎大名だった家康がのちに徳川幕府を開き、乱世に終止符を打つまでを等身大の目線で描いた本作。当初から貫いていたコンセプトが、家康を偉人ではなく弱き白ウサギという「個」として描くこと。最終回「神の君へ」では、秀吉(ムロツヨシ)の側室で本作の“ラスボス”となる茶々(北川景子)とその息子・秀頼(HiHi Jets作間龍斗)を相手にした「大坂の陣」という最後の戦を経た、家康の行く末が描かれる。

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 最終回の撮影を終えた心境を問うと、「最終回、難しかったなあ……と」と率直な胸の内を明かす村橋監督。そもそも最終回の演出を担当するのはどんな気持ちなのか。

 「1年間やってきたものの総決算にあたるわけで、幸せなことではありますけど、プレッシャーも大きいですね。基本的には大河ドラマって主人公が亡くなるところまでを追うもので、長い時代の中で多くの死を描いていくわけです。特に終盤は家康の家臣たちが次々に亡くなっていきましたが、最終回ではある意味で役者さん全員の“最後”を描くことになる。視聴者の方々は家康をはじめそれぞれの各キャラクターへの思い入れがあるので、納得していただけるように描くのは本当に難しいなと」

 なおかつ、本作が最終回を観ない限り完結しない展開になっているところにも身構えたという。「大河ドラマの多くは、最終回前にほぼテーマ的なことは描き切っていて、最終回は例えばツール・ド・フランスの最終日に戦いを終えた選手たちがシャンゼリゼを走るイベントのような展開になることが多いですが、今回は違って。僕らは1年をかけて家康の本当の姿みたいなものを描いてきた。いわゆる狸おやじでもなければ、神でもなく、弱き白ウサギだったのかもしれない……と。それは第47回の時点ではたどりついていないんです。第48回まで行ってようやく描けたことなのでそういう意味でもプレッシャーがかかるというか。これまで“家康公らしくない”あるいは“史実はこうだ”といったご批判、ご意見を受けながら描いてきた、僕らの思う本当の家康は最後まで行かないと見えないので、心の底から最終回まで観ていただきたいと思っています」

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 脚本家の古沢は本作で描いた家康について「ここまで可哀そうな人になるとは思っていなかった」と話していたが、“本当の家康”とはいったい何なのか。

 「僕らはよく家康を神君だとか、偉大な人物だとか言う。人生で最高の時はいつだったのかと考えると、関ヶ原の戦い、あるいは大坂・夏の陣を終えたあとだとか、戦いに勝利した、天下をとった瞬間がマックスだと簡単に言ってしまう。世ではそういうふうにイメージが形成され、歴史書なども作られてきたかもしれませんが、本当にそれが家康の全てだったのだろうかと。最終回まで見守ってくださる視聴者の方には、それを感じて頂けるのかなと思っています」

 最後の戦を終え、悲願だった安寧の世を築いた家康はいかに人生の幕を閉じるのか。最後にどんな表情を見せるのか。(取材・文:編集部・石井百合子)

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