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杉咲花、成島出監督と初タッグ 本屋大賞『52ヘルツのクジラたち』映画化

2021年本屋大賞受賞作が映画化 主演の杉咲花と原作「52ヘルツのクジラたち」
2021年本屋大賞受賞作が映画化 主演の杉咲花と原作「52ヘルツのクジラたち」 - (C)2024「52 ヘルツのクジラたち」製作委員会

 俳優の杉咲花が、作家・町田そのこの2021年本屋大賞受賞作を、『八日目の蝉』(2011)などの成島出監督が映画化する『52ヘルツのクジラたち』で主演を務めることが明らかになった。

まさかの花沢類!小栗旬×杉咲花の2ショット【画像】

 本作で杉咲が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(みしま・きこ)。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、母に虐待され「ムシ」と呼ばれている、声を発することのできない少年と出会う。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会うことで、新たな魂の物語が生まれる。

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 タイトルにある“52ヘルツのクジラ”とは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く一頭のクジラ。仲間に何も届かない、何も届けられないため、世界で一番孤独なクジラとも言われている。

 初の成島監督作への参加となる杉咲は「信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです」とコメント。成島監督は、そんな杉咲に「この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた」と感謝しながら「52ヘルツで声なき声を上げる『だれか』に、この作品が届くことを信じて。熱い夏を乗り切りたいと思います」と意気込みを語っている。

 原作者の町田は、脚本を受け取り「自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました」と明かし「これから、成島出監督や杉咲花さんをはじめとした俳優の方々、素晴らしいスタッフの方々の手によってますますその輪郭を濃くし、色鮮やかになってゆくのだろうと思うと、楽しみでなりません」と期待をかける。

 杉咲花、成島出監督、町田そのこのコメント全文は以下の通り。(編集部・入倉功一)

映画『52ヘルツのクジラたち』は2024年3月 TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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杉咲花

この物語は、皆が自分の隣や心の中にいる誰もに、拍手を贈れる日々への祈りだと思います。
その志に少しでも加わりたくて、貴瑚という役を演じることになりました。
信頼する成島組の皆さまと、力を尽くしていきたいです。

監督:成島出

「誰にも届かない声などない」町田そのこさんのこの熱い想いにどうしたら映画はこたえられるのか。
繊細で、力強く、残酷で、あたたかい本作に、大いなる覚悟で臨んでいます。
この難しい作品に、撮影前から並々ならぬ思い入れで準備をすすめてくれた杉咲さんたちと、共に挑めることを心強く思います。
52ヘルツで声なき声を上げる「だれか」に、この作品が届くことを信じて。熱い夏を乗り切りたいと思います。

町田そのこ

『52ヘルツのクジラたち』は、広大な世界に小さな魚を放流するような気持ちで送り出した作品でした。その魚がたくさんの方の手によって、まさに大きなクジラのような存在になり、大海を泳いでいる。それだけでも夢を見ている心地だったのに、まさか映画という未知の世界にまで泳いでいくなんて。
脚本をいただきましたが、自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました。これから、成島出監督や杉咲花さんをはじめとした俳優の方々、素晴らしいスタッフの方々の手によってますますその輪郭を濃くし、色鮮やかになってゆくのだろうと思うと、楽しみでなりません。
そして、貴瑚や愛、安吾たちの声なき声がたくさんのスクリーンに響く日が来る。誰にも届かない声などない、そう信じて書いた作品がたくさんのひとの心に届く日が訪れる。そのことが嬉しくてなりません。
2024 年、みなさまと一緒に彼らの声に耳を傾ける日を過ごせますように!
と書きながら、いまだに「ほんとうに映画化なの? 騙されてない?」と疑っていたりもするわたしです。

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