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上田慎一郎監督、構想10年!特殊設定の新作に主演オファーも慎重

『カメ止め』の大成功がもたらした影響を振り返った上田慎一郎監督
『カメ止め』の大成功がもたらした影響を振り返った上田慎一郎監督

 映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が20日、スペースFS汐留で行われた映画『ポプラン』の完成披露試写会で、成功の後に自分を見失っていた時期があったと振り返りながら、異色の設定の新作について語った。この日は、出演者の皆川暢二アベラヒデノブ徳永えり原日出子も来場した。

【動画】上田慎一郎監督『カメ止め』裏側トーク

 上田監督が構想に10年をかけた『ポプラン』は、「家出したイチモツを捕まえろ」を題材に、消えてしまった自分の大事な部分を捜し出そうとする男を描いたロードムービー。上田監督が「まだ20代後半で、フリーターをしながら自主映画を作っていた時に思いついたアイデア」と語る企画で、「脚本も書いたのですが、特殊な設定から企画が通ることもなく。自分自身、これが映画になるという感触がつかめなくて。長いコントになってしまいそうだなと思っていたのですが、いろんな人生経験を経て、(映画実験レーベル)Cinema Lab さんからお声がけいただいたことで、今やと思って作ることができました」とその経緯を語る。

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 そんな、思わぬトラブルに見舞われる主人公を演じた皆川は、田中征爾監督の主演映画『メランコリック』(2018)公開時に、都内の劇場で、同作を観に来た上田監督と知り合ったといい「上田監督から、TwitterのDMで主演でお願いしたい作品があると言われたんですが、詳しい概要は会ってから話すと。何かものすごく内容を言い渋っている感じがあって。実際にZoomで打ち合わせをした時に、実はこういう話で……と言いづらそうにお話をしてくださったんです」とオファーを述懐。上田監督も「最初にあらすじだけ言うと、イロモノ映画なのかなと誤解されかねないなと思って。慎重に言わないとなと思ったんです」と笑顔で告白していた。

 また、映画の内容に絡めて「自分自身を見失った時は?」という質問を受けた上田監督は、『カメラを止めるな!』の成功がもたらした影響を振り返る。「この10年くらいの間に、結婚をして、子供も生まれて。いろんな人生経験を積みました。成功もあれば、失敗もあったんですが、それでステージが上がった時に自分を見失ってしまって。期待とプレッシャーと、いろんな声を受け止めすぎて。『ああした方がいいよ』とか『次、これをお願い』みたいないろいろなことを受け止めようとしていたら、俺はどうしたかったんだっけ? と。自分を見失った時があった」

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『ポプラン』の原日出子、徳永えり、皆川暢二、アベラヒデノブ、上田慎一郎監督

 さらに「『カメ止め』の翌年が『メランコリック』(の成功)だったんですよ。だから(同作でプロデューサーも務めた)皆川さんは、この対処の仕方を知っているんじゃないか、というのもあったんですよね」と、皆川に声をかけた理由を告白。皆川も「僕は上田監督ほどの経験はしていないのですが、何かしら引っかかる部分ができるというのは、ものすごくわかります」と共感。それを聞いていた原は「長い人生には、そういうことが何回もあると思う。わたしも自分を見失うことが何回もあったし、この先もきっと何回もあると思う。でもそういうことの繰り返しの中で、新しい自分と出会うから。そういう繰り返しの中で時がたつと思いますよ。具体的なことは本当に恥ずかしいから言えないけど、わたしも何度も転んだりしたし、そんなもんです」としみじみ語ると、その言葉に登壇者たちも感心した様子を見せた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ポプラン』は1月14日よりテアトル新宿ほか全国公開

【完全ネタバレ】『カメラを止めるな!』裏側トーク 上田慎一郎監督に直撃!:マホモリティリポート » 動画の詳細
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