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三谷幸喜、新作はややこしい男心がたんまり? 自らの恋愛観を投影

『ギャラクシー街道』インタビュー

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「男は悲劇のヒーローになりたがる」三谷幸喜監督
「男は悲劇のヒーローになりたがる」三谷幸喜監督 - (c)シネマトゥデイ/吉岡希鼓斗

 三谷幸喜監督の最新作『ギャラクシー街道』はなんとSFロマンチックコメディー。自身初となるジャンルへの挑戦もさることながら、真正面から男女の恋愛に向き合う珍しい試みになっている。ラブストーリーは「恥ずかしいから」と避けてきたという三谷監督が、自身の恋愛観を赤裸々(?)に投影した本作を語った。

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 三谷作品とは縁の深い香取慎吾が演じる主人公ノアは宇宙の外れにある、さびれたハンバーガーショップの店長。妻ノエ(綾瀬はるか)と共に店を切り盛りしているが、元カノ・レイ(優香)の突然の来店に動揺。「彼女はオレと別れて幸せに暮らしているのか? オレのことが忘れられなくて不幸なんじゃないか?」などと妄想モードで思い上がった心配をする。男という生き物の本質を突く、さすがの描写だ。

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 三谷監督は「どう転んでも、自分のことなんですよ。ノアさんもそうだし、この映画に出てくる男性は全部、僕なんです。僕の気持ちがそのまま投影されています」と告白。一方、ノエはしっかり者、レイもはっきりモノを言う。いずれも女性ならではの強さが印象的で、「描いている女性に関しても僕が知っている女性が投影されていますから。つまり、そういう強さを持った人たちを好きになってきたんでしょうね。そこには、いろんな意味で僕の憧れ、女性にはこうあってほしい……という願望があるのかもしれません」と明かした。

 さらに、「男は悲劇のヒーローになりたがる」と指摘。三谷監督自身も、そんな気分を存分に味わったことがあるという。「堕ちた方がカッコいい、みたいな自分なりの美学があったりするんですよね。雨の日、傘も買わずにあえてずぶ濡れで家に帰るとか。そうすると、悲劇っぽくなるんです。しかも、なぜかツラいときに限って、雨って降ってくるものなんですよ」。

 そんな、おかしくもナイーブでややこしい男心がたんまり。意外なほどに赤裸々(!?)なシーンも。じっくり味わいたい、秋にぴったりの作品だ。(取材・文:相田冬二)

映画『ギャラクシー街道』は全国公開中

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