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ロバート・ケネディの末娘が描いた母親エセルのドキュメンタリー映画とは?

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ロリー・ケネディ
ロリー・ケネディ - Taylor Hill / Getty Images

 ロバート・ケネディの末娘として生まれ、映画界で活躍するロリー・ケネディが、母親エセル・ケネディを題材に描いた話題のドキュメンタリー映画『エセル(原題) / Ethel』について語った。

 同作は、第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの弟で、司法長官を務めたロバート・F・ケネディの妻エセル・ケネディが、夫ロバートをいかに陰で支えていたかを、彼女が生んだ11人の子どもや、アメリカ政界を揺るがした政治的出来事などを通して振り返っていくドキュメンタリー作品。1968年にロバート・F・ケネディが亡くなった数か月後に、母親エセルから誕生したロリー・ケネディがメガホンを取り、普段聞き出せないケネディ一家の感情を赤裸々に聞き出している。

 製作上の困難な点について「自分が育った環境の観点から映画を製作しているから、観客がどのような反応をするのか、あるいは自己観念を持つべきなのかなどと、製作上で格闘することになったの。けれどキューバ危機のときに、母エセルと子どもは安全な場所に避難するという選択もあったけれど、エセルはロバートから離れずに、子ども達と共に居たわ。ロバートの観点は、彼が執筆した本から知られているけれど、一歩下がって母親とわたしの兄弟を通して、まだわたしが生まれていなかった当時の歴史的出来事を伝えたかったの」と制作意図を明かした。

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 母エセルとの会話について「わたしたち家族が日々過ごした素晴らしい機会(出来事)を通しての喜びを、映画として保管したいという思いからこの映画を製作したけれど、それと同時に母親に聞くのが困難な悲しみや喪失感もあったの。わたしの家族は、プライベートで、そういった悲しみを共有するタイプではないの。だから、(父親や叔父の暗殺について)悲しみを共有することはなく、そのことについて聞くことさえも不快だったこともあったわ……。けれど、エセルや家族が返してくれた答えは、正直で生の言葉なの。それが誠実な視点を提供し、より信憑性のある映画にしていると良いわね」と語った。

 最後に、なぜ母親を題材に描く気になったのか、との質問に「わたしはこれまで、およそ20年間もドキュメンタリー映画を製作してきたの。ようやく十分な自信がついて製作しようとしたけれど、(家族を扱うことは)恐ろしい題材であるし、ちゃんとしたストーリー構成を見つけることは吐き気がするほど大変だった。けれど、完成させて世界の人たちとこの映画を共有できて、とてもハッピーだと思っている」と笑顔で答えた。

 映画はアメリカを変えた歴史的事実を、また新たな観点から見つめ直し、さらにケネディ一家の興味深い視点と家族の絆が描かれている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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