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大江千里、キャリアを投げ打って挑戦したジャズへの思いを熱く語る!

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ジャズ・ピアニストとして全米デビューを果たした大江千里
ジャズ・ピアニストとして全米デビューを果たした大江千里

 11日、都内で開催された映画『情熱のピアニズム』公開記念するトークショーで、今夏ジャズ・ピアニストとして全米デビューを果たしたアーティスト大江千里が、日本でのキャリアを投げ打ってまで渡米し挑戦したジャズへの思いを熱く語った。

映画『情熱のピアニズム』写真ギャラリー

 1980年代から1990年代にかけて、ピアノを弾きながら歌うシンガー・ソングライターとして人気を博した大江。だが、2008年、日本での音楽活動をすべて休止し、ジャズを学ぶためにニューヨークに移住。47歳の転身であった。大江は「15歳で初めてジャズのレコードを買い、デビューしてポップスを書き始めた。でも僕の心の中にはいつもジャズがあったんです。50歳を前にして、最初の自分に戻る時期かな、と思った」と当時の心境を語る。

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 しかし、いったんニューヨークに渡ってみると、周りに自分を知っている人は一人もいなかった。「練習するにも、もう老眼が始まっていて目がかすむ。そんな中、自分の何が通用するかと考えたとき思い出したのが、日本での活動で培った作曲だったんです」。今夏、全米で発表された大江のアルバム「Boys Mature Slow」は、全編インストルメンタル。「大江風ジャズ」を目指したという内容は、ジャズ・ファンに好評価を受けている。

 この日大江と共にイベントに出席したライターの島田奈央子は、そんな大江の作品に、映画『情熱のピアニズム』に描かれているミシェル・ペトルチアーニの音楽と相通じるものがあると話した。「二人の音楽の芯には、誰でも口ずさめるポップさと、人を楽しませようという明るさがある。ジャズというと取っ付きにくいイメージが先行するけれど、あまりジャズを聴いたことがない女性にも、すごく楽しめる音楽なんです」。

 このたび公開される映画『情熱のピアニズム』は、骨形成不全という重度の障害と、類いまれなる音楽的才能の二つを天から授かった天才ピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの生涯を、近親者の証言を交えて追ったドキュメンタリー映画。監督は『イル・ポスティーノ』で、南欧の美しい自然と青年の成長をリリカルに描いたマイケル・ラドフォードが担当している。

 「この映画を見て、ペトルチアーニの人生の濃さに圧倒された」という大江。「彼の音楽もそうだけど、彼がピアノを弾く姿を見るだけで、何だか心のなかがザワザワ熱くなってくるんです」と付け加えた。

映画『情熱のピアニズム』は10月13日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開

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