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時代考証無視の「三谷文楽」は三谷幸喜の真骨頂!皮肉&笑い満載!

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三谷幸喜がいざなう文楽の世界!
三谷幸喜がいざなう文楽の世界!

 10日、渋谷のPARCO劇場で、三谷幸喜が初めて文楽に挑んだ舞台「其礼成心中」(それなりしんじゅう)公開舞台けいこが行われ、三谷と文楽という異例のコラボレーションの全容が明らかになった。

舞台「其礼成心中」公開舞台げいこ写真ギャラリー

 三谷が日本の伝統芸能・文楽に挑戦した本舞台は、翻訳ものや一人舞台など、「三谷の初挑戦」をテーマにした舞台を3か月連続で上演する「三谷幸喜初ものづくし」シリーズの最後を飾る第3弾。近松門左衛門の「曽根崎心中」をモチーフとした笑いと涙にあふれた人情物語だ。

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 オープニングでは、開演と同時に三色の定式幕が開くと、壇上に太夫と三味線弾きが着座。三味線の音を伴奏に、大夫たちが浄瑠璃を語り始めると、会場は一気に本格的な文楽の世界へといざなわれた。とはいえ、そこにはとっつきにくさはまったくなく、「わたしの心はハートマーク」「これぞまさにロミオとジュリエット!」といった時代考証をまったく無視したセリフが散りばめられていて、飽きさせない。

 物語の舞台は元禄16年。大阪では近松が実際の心中事件をモデルにした「曽根崎心中」が大ヒットしており、その舞台となった天神の森は悲恋の末に心中を遂げようとする男女の心中のメッカとなっていた。そしてその森の入り口にある饅頭屋の夫婦が、心中にやってくる男女に、「曽根崎饅頭」を売りつけて大儲けをたくらむ……といった物語が展開される。心中で商売をしようという不謹慎な饅頭屋夫婦たちの物語であるが、三谷らしい皮肉や笑いが散りばめられており、観終わった後には劇中のセリフにもある通り、「この世で生きていくのも悪いものではないな」と思えるような晴れ晴れとした気持ちになれる舞台となっている。

 構想足掛け4年という年月を経て、いよいよ文楽に初挑戦を遂げた三谷は「年来の企画がようやく実現し、今は早くお客さんに観てもらいたいという気持ちでいっぱいです。文楽が好きな方も、そうでない方も、必ず楽しんでもらえる作品になっていると思います」と初日に向けて意気込む。三谷の新境地に注目だ。(取材・文:壬生智裕)

舞台「其礼成心中」(それなりしんじゅう)は8月11日から8月22日まで渋谷パルコ劇場にて上演

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