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音楽家・灰野敬二、自分のやっていることがきちんと伝わっていない…ドキュメンタリー映画制作の理由を明かす

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舞台あいさつに登壇した灰野敬二
舞台あいさつに登壇した灰野敬二

 7日、シアターN渋谷にて映画『ドキュメント 灰野敬二』の初日舞台挨拶が行われ、灰野敬二が今改めて自身のドキュメンタリー映画を制作した理由を語った。この日は白尾一博監督も出席した。

映画『ドキュメント 灰野敬二』初日舞台あいさつフォトギャラリー

 1970年代から現在に至るまで、独自のスタイルを貫いた孤高の音楽活動を行い、日本のアンダーグランドシーンや、海外などで高い評価を得てきた灰野敬二。本作は映画『ヨコハマメリー』でプロデューサーを務めた白尾がメガホンをとり、その灰野の知られざる音楽活動にスポットを当てたドキュメンタリー映画だ。

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 白尾監督との出会いはやはり『ヨコハマメリー』がきっかけ。「映画の人とは初めて付き合った。こういう人たちもいるんだと思いました。ネガティブな意味でなく、ポジティブな意味で」と明かした灰野は、そうした関係について「最初は接点を持とうとしても、ちょっとしたブレがあったりしたけど、何度か話すうちにお互いが鍛えられた。面白いものが作れると思った」と魅力を語った。

 「僕自身、映画をよく知らないので、ドキュメンタリーを撮るといわれて、どういうふうになるのかわからなかった」と本音を語りながらも、灰野は映画化を認めた理由についても述懐。「これまで僕は、自分を見てもらうより気付いてもらうというスタイルでやってきた。でも60歳になって、自分のやっていることがきちんと伝わっていないと思えることも多く、そろそろ自分が何をやりたかったかを伝えていくこともしないといけないと思った」という言葉には会場に集ったファンも頷いていた。

 「僕の中に暴きたいもの、隠れているものがまだまだたくさんある」と宣言した灰野は本作の出来栄えにも自信たっぷり。「灰野敬二を知らない人に観てもらいたい。この中に出ている僕はおそらく本物です」と舞台あいさつを締めくくった。(取材・文 名鹿祥史)

『ドキュメント 灰野敬二』はシアターN渋谷にて公開中

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