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『メン・イン・ブラック3』の3Dは飛び出す!バリー・ソネンフェルド監督、フィルムへのこだわり

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バリー・ソネンフェルド監督
バリー・ソネンフェルド監督

 コーエン兄弟の作品『赤ちゃん泥棒』や『ミラーズ・クロッシング』などで撮影監督として活躍し、その後映画『ゲット・ショーティ』などでメガホンを取ったバリー・ソネンフェルド監督が、新作『メン・イン・ブラック3』について語った。

映画『メン・イン・ブラック3』写真ギャラリー

 同作は、日々地球に生息するエイリアンを監視してきた秘密組織MIBに所属するエージェントJ(ウィル・スミス)とK(トミー・リー・ジョーンズ)。ある日、単独行動をしていたKが突如姿を見せなくなった。それは、なんと何者かの手により歴史が改変され、Kが40年前に亡くなっていたのだった。それを知ったJは、1960年代にタイムスリップして若きKを助け出そうとするが、そこには思いがけない事態が待ち受けていたSF・コメディアクション作品。

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 今作は3D作品だが、3Dカメラでは撮影せずに、いったん通常の撮影をしてから3Dに移行している。「確かに3Dカメラで撮影するより、3Dに移行しただけの映画は、これまですっと否定されがちだった。でも、もしこの作品を3Dカメラで撮影していたら、当然デジタルで撮影しなければならなくなり(デジタルの方が後の編集でCGを加えやすいため)、するとリック・ベイカーのメイクアップや背景のデザインなどは、デジタルではフィルムのようにあまり美しく映し出せないことがわかったんだよ」と、まずフィルムにこだわったことがスタートだったらしい。

 さらに彼は「これまでの3D作品を観てきて、映画内の背景で3Dを通して奥行きを出してきた作品が多かったが、飛び出してくるような作品をそれほど観たことがなかった。そういった飛び出すような映像を作り上げるのは、撮影後の編集段階で行う必要があり、そのために3Dに移行して、後に編集でいろいろ加えることができたんだ」と明かした。

 ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズと久々にタッグを組んでみて「前作『メン・イン・ブラック2』からおよそ10年ぶりに仕事をしたわけだが、そんな長い期間がまるで週末だけ共に過ごさなかったかのように短く感じられ、これまでと変わらずに楽しみながら撮影ができたよ」と語った。また、新たに加わったエマ・トンプソンジョシュ・ブローリンについては「エマはとても頭の良い女性で、MIBの本部でウィル演じるJが、トミー・リー・ジョーンズ演じるKを探している重要なシーンの脚本を書いてくれていたんだ(エマは脚本家にはクレジットはされていない)。一方、ブローリンは今作で誰よりも際立っていたと思う。ただ、興味深いのはトミー・リー・ジョーンズとジョシュ・ブローリンは、今作を含め3作で共演してきたが、一度も同じシーンに出演したことがないらしいんだ」と笑っていた。

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 映画内のユーモアの描き方について「最近のコメディで僕が問題だと感じているのは、サタデー・ナイト・ライブのような即興的な感覚で笑いを誘うことで、僕はむしろ観客が映像を観て、何がおかしいのかと観客たちに映像内で笑いを発見してもらうことの方が好きなんだ。つまり僕は、撮影中は俳優にはリアルに演じてもらい、意図的に可笑しいような演技をさせたりはしないんだ。それが僕のコメディだと思っている」と独自の意見を話した。

 映画は、ウィル・スミス演じるお調子者のJと、若きKを演じるジョシュ・ブローリンのコンビが痛快な作品に仕上がっている。今作は、日米同時に5月25日から公開される。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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