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チェルノブイリ事故から12年後の町を映す『プリピャチ』の廃墟ぶりに愕然…福島県双葉郡出身者に先行上映

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プリピャチもかつては美しい自然に囲まれていた(映画『プリピャチ』より)
プリピャチもかつては美しい自然に囲まれていた(映画『プリピャチ』より)

 今月1日、チェルノブイリ原発事故から12年後の30キロ圏立ち入り禁止区域の様子、そしてそこに暮らす人々の姿をとらえた映画『プリピャチ』が、福島県双葉町の双葉高校同窓生数十名を対象に特別上映された。

映画『プリピャチ』フォトギャラリー

 本作の舞台は、チェルノブイリ原子力発電所から4キロ離れた“プリピャチ”。発電所の労働者たちが数多く暮らしていた街だった。だが事故直後、5万人の住民が避難。プリピャチには、故郷から離れることのできない老夫婦、10年以上、国が約束した移住の順番を待ち続けている女性など、さまざまな立場の人々が、当局に黙認されたまま暮らしている。

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 かつて、美しい自然に囲まれ、子どもたちの笑い声が響いていたプリピャチの時間は、事故が起きた1986年を境にピタリと止まっている。2011年3月に発生した福島第一原発事故後、役場ごと避難をした福島県双葉町の時もまた、同じように止まっていた。

 ゴーストタウンとなり、荒廃の地となったプリピャチの姿をスクリーンで観た男性は、「双葉もこの映画のようになるんだろうと思う」とコメント。先日浪江町を訪れたという女性は、「浪江は、この映画そのままの景色。ブタクサは生い茂り、崩れものはそのまま。作品は事故から12年後だが、1年でこの状態。愕然としました」と話した。

 東日本大震災から、まもなく1年。福島の人々は、いまだに苦しみ続けている。原発から10キロ圏内に自宅があり、震災以来東京に避難しているという男性は、「何を信じればいいのかわからず、国や東電からの謝罪もない。国民を保護する立場にある国にひき逃げをされたような状態」と自らの感情を語った後、「このような映画が、今後どう立ち向かっていくかを考えるきっかけになれば」と映画への期待を語った。(編集部:森田真帆)

 映画『プリピャチ』は、今月3月3日より渋谷アップリンクほかにて全国順次公開

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